最初で最後の、恋だった。
あたしの先輩を…
苦しませる…ストーカー……。
「何なのよその目つき」
「………」
「う…ウザいのよっ」
山野雅は倒れているあたしに近づき。
シュッ
ポケットに隠していたカッターナイフで、あたしの腕を切りつけた。
この間おでこに出来た瘡蓋と同じぐらいの出血の量。
死ぬことはないだろうが…痛い。
「雅様…素晴らしいですわ」
「我々は王子様を守る会。
抜け駆けは許されませんよね」
「抜け駆けをした罪人には、罰を与えなくては」
「その罰を与えられるのは、雅様だけですわ」
「これで懲りて、輝飛様と付き合うなど馬鹿な行為はやめるでしょうね」
「フフン、当然でしょ♪」
金魚のフンが、ひたすら山野雅を褒める。
山野雅は…そんなに良いことをしたのだろうか?
…していないはずだ。
だって山野雅は、
先輩を傷つける…
悪イ子デスモノネ……?