最初で最後の、恋だった。
山野雅と金魚のフン軍団は、笑いながら行ってしまった。
何が…王子を…先輩を守る会だ……。
先輩のことなんて…1ミリも守っていないじゃないか…。
逆に…傷つけているだけじゃないか…。
先輩…。
あたしの…先輩…。
どれくらい時間が経ったのだろうか?
あたしは静かに涙を流していた。
山野雅と金魚のフン軍団を、
殺シタイ…。
でもそんなことして…
先輩に嫌われてしまったら……。
そんなこと、罪を償うことより辛い。
先輩に嫌われるなら、あたしはこのまま憎しみを心の奥底に秘めていたい。
「望愛ちゃん!」
え?
この声は…
「せんぱ…い……」
「望愛ちゃん、大丈夫!?」
先輩が、あたしを抱きかかえた。