最初で最後の、恋だった。
★揺れる気持ち
しかし天罰とは不思議なもので。
「雅様殺したの、アンタでしょ」
「ち、違います…」
「アンタ、雅様に腕切られたんだものね。
憎んでいるはずでしょうねぇ…」
「そ、そんなことっ…」
山野雅と金魚のフン軍団を殺したと疑われ続けたあたし。
その子たち、相次いで自殺した。
あたしが殺したんだと皆思っているみたいで。
誰1人、あたしに関わらなくなった。
バシッ
「…ッ」
「お前、人殺しなんだって?」
「人殺しの妹なんて、嫌ねェ」
家に帰れば、前よりもひどく、王と女王に殴られ、蹴られた。
肉親にも信じられないあたしって。
…まぁ信じてもらえると思ったわけじゃないけど……。
やはり血の繋がった兄から疑われると、やっぱり哀しいかな。
絶望感みたいなのも…多少はあるし。
あたし、先輩しか信じられないと思ったこともあるけど。
やっぱり心のどこかでは、こんな兄でも信じていたんだなァ。
あたしは1人、
夜誰もいない家で、涙を流した。