最初で最後の、恋だった。
「最近、輝飛が変なんだ。
望愛ちゃん、何か知らないかな?」
「先輩が…変……?」
「うん。
最近無断欠席が多いんだ。
昼休みが始まると同時に学校に来て、望愛ちゃんとお昼を食べている。
その後午後の授業は受けるんだけど、殆ど上の空で」
先輩は学年が違うから、クラスでどんな人なのか知らなかった。
無断欠席…?
あんな真面目に勉強していた先輩が?
「望愛ちゃんなら、アイツが午前中だけ無断欠席している理由、知っているかなって思っていたんだけど…」
「ごめんなさい…わからないです」
「そっか…。
てか最近、女子生徒だけが相次いで自殺しているじゃん?
しかも全員、望愛ちゃんに輝飛関係で近寄った子たちでしょ?
望愛ちゃんは何もない?」
「大丈夫です。
あたしには…輝飛先輩がいますから」
あたしの真っ直ぐな目を見た奥田先輩は、気まずそうに目を逸らした。
「…望愛ちゃんに言って良いことなのかな、アレ」
「何のことですか?」
「…俺が今から言うこと、アイツには内緒にしておいて」
「はぁ…」
「俺この間…山野雅たちが自殺されたと思われる夜…。
見ちゃったんだよね…」
「何をですか?」
「…山野雅たちは首つり自殺でさ。
この近くにある、人通りの少ない公園の大木で死んでいた所を発見されたらしい」
奥田先輩はその後、公園の名を告げた。
その公園は…
この間あたしが夜、
輝飛先輩に出会った公園だった。