最初で最後の、恋だった。








「そこで俺さ…見たんだ」

「輝飛先輩を…ですか?」

「そう。
何しているかわからないし、人違いだったら恥ずかしいから、そのまま立ち去った。
それで次の日、山野雅たちが自殺したって聞いて…。
しかもその日輝飛は午前中休みで、聞けなくて……」



輝飛先輩が…あの日公園に……。

公園にいるのは自由だけど…その日だからこそ……。




「奥田先輩は…疑っているんですか?
輝飛先輩が…山野雅たちを殺したんじゃないかって」

「証拠もないし、俺の見間違いかもしれない。
でも…そうだったらとは…想像しちゃうな……」




あたしは、信じたくない。

確かに先輩、話すとは言っていた。

でも殺すことはさすがにしないだろう。

てか山野雅たちは自殺だし。

自ら命を絶つことが自殺だ。

…殺しなら、他殺だ。





「しかも最近、望愛ちゃんに関わった奴ら全員自殺しているだろ?
こんなに短い期間で自殺が相次ぐのも、可笑しいと思うんだよね。
こんな偶然…あり得るのかなって」

「え?
奥田先輩は、その自殺も輝飛先輩が関わっていると言うんですか?
輝飛先輩、あたしが関わっているって、何で知っているんですか?
あたし、先輩が心配すると思って、何も言っていないんですけど」

「あれ?そうなの?
俺、自殺した人全員が望愛ちゃんに関わっているって、輝飛に言われたんだけど」




輝飛先輩…。

何で知っているの……?








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