最初で最後の、恋だった。
「…何しているの?」
裏庭に響く、低く冷たい声。
あたしたちは急いで振り向いた。
「輝飛…」
「先輩…」
ニコニコ笑顔の、先輩が立っていた。
先輩以外立っていない。
…じゃあ、今の声は、先輩?
「こんな所で何しているの?」
「輝飛、今日は来ているんだな」
今は午前中だ。
最近お昼まで無断欠席をする先輩がいることに、奥田先輩は驚きを隠せないようだ。
「ん…まあね」
輝飛先輩は、ますます微笑む。
綺麗すぎるその笑顔が…逆に怖い。
何考えているか…
ワカラナイ……。