最初で最後の、恋だった。













「…何しているの?」





裏庭に響く、低く冷たい声。

あたしたちは急いで振り向いた。





「輝飛…」

「先輩…」




ニコニコ笑顔の、先輩が立っていた。

先輩以外立っていない。

…じゃあ、今の声は、先輩?





「こんな所で何しているの?」

「輝飛、今日は来ているんだな」



今は午前中だ。

最近お昼まで無断欠席をする先輩がいることに、奥田先輩は驚きを隠せないようだ。




「ん…まあね」




輝飛先輩は、ますます微笑む。

綺麗すぎるその笑顔が…逆に怖い。




何考えているか…

ワカラナイ……。







< 83 / 157 >

この作品をシェア

pagetop