最初で最後の、恋だった。
★先輩を信じる
それから数日後。
あたしに関わると死ぬと言う噂が立ち、あたしに関わる人は誰もいなくなった。
まぁ元々誰かと関わっていたわけじゃないから、何とも思わない。
そのせいなのか、誰も自殺ことはなくなった。
学校では、いつも通り先輩とお昼ご飯を食べているので、平穏な毎日が訪れていた。
先輩も奥田先輩と普通に仲良くしているしね。
…ただ。
家で平穏と言う言葉は遠い。
「不味いな。
何でこんなモノ作るんだよ」
「かけてしまいましょ♪」
バシャッ
あたしの頭の上に、アツアツのお味噌汁がかかる。
お味噌汁以外にも、ご飯や野菜炒めも。
あたしが作った、夕食。
あたしのために作ったのではない。
お兄ちゃんと、居候するようになった女の人のために。
女の人はお兄ちゃんの彼女で。
毎日あたしを殴り蹴り罵り、毎晩体を重ねている。
「はぁ。
望愛ちゃんがいると、ご飯が不味くなるわ」
今ではお兄ちゃんより酷い。
お兄ちゃんだけの方がマシだったと思えるほど。