最初で最後の、恋だった。
「大丈夫?ごめんね。
怪我はないかな?」
ぶつかったのは…
輝飛先輩だった……!
「だ、大丈夫です!
あたしこそ、ごめんなさい!
け、怪我はないですか!?」
思ったより早口になってしまったけど、先輩は楽しそうに笑った。
「大丈夫だよ」
その笑顔は、
決してあたしに向けられないと思っていた笑顔だった。
…眩しいです、輝飛先輩……!
「し、失礼しますっ」
あたしは急いで、頭を下げ、急いで階段を降りた。
「可愛い1年生だなぁ。
ん?何だコレ。
…生徒手帳?
名前が書いてある。
1年2組三ノ矢望愛?
…望愛……?
…見つけた。
俺の
聖女(マリア)……」