最初で最後の、恋だった。
「どうしたのかしらこんな夜遅くに」
あたしの裸足を見ても、オバサンメイドは顔色1つ変えない。
「………」
答えられない。
確かにあたし、どうして来たんだろう?
「ぼっちゃまにご用ですか?」
「…そういうわけじゃ……」
「通りすがりですか?」
「…かもしれないです……」
よくわからない。
何でココにいるのか。
「…三ノ矢望愛様ですね」
「え?」
何であたしの名前…。
「ぼっちゃまから言われています。
三ノ矢望愛様を見かけたら、何時でも良いから通してほしいと。
どうせ今夜も旦那様と奥様は帰ってこられませんし。
ぼっちゃまもお1人で過ごすのはさすがに寂しいでしょうから」
先輩…。
「どうされますか」
「…入っても、良いんですか?」
「あたくしはただの家政婦。
主であるぼっちゃまに言われておりますから」
オバサンメイド改め、家政婦さんの後を追い、中へ入る。