最初で最後の、恋だった。
「ありがとね望愛ちゃん。
話してくれて…辛かったでしょ?」
「先輩だから…話せたんです」
優しくて、あたしを否定しない先輩だから。
あたしは先輩を信頼できるんだ。
「先輩。
先輩も、何かあったら、あたしに話してください。
先輩の笑顔を、あたしが守りたい」
逆に言えば、
あたし以外許サナイカラ……。
「嬉しいことを言うね望愛ちゃん。
そうだね、何かあったら、真っ先に望愛ちゃんに言うね」
「はいっ」
「そうだ望愛ちゃん。
お腹空いていない?
夕飯、一緒に食べようよ」
「はいっ!」
一緒にリビングへ向かう。
そこには家政婦さんの作った夕飯が置かれていた。
2人分だけ…。
「先輩、何で2人分だけなんですか?」
「え?
俺と望愛ちゃんの分だよきっと」
「どうしてあたしの分まで?」
「さっき、夕食の材料買いに行っていたんだよ。
作るときに望愛ちゃんに会ったから、2人分作ってくれたんだよ」
「なるほど…」
あの家政婦さん、気が利くじゃん。