最初で最後の、恋だった。
第5章
★先輩の、秘密
それから1週間。
何事もなく過ごした。
土日は先輩とアノ喫茶店に行って、美味しいミルクティーを飲んで。
先輩の家にお邪魔して、イチャイチャして。
夕食もご馳走になって。
味が相変わらず薄いけど、美味しいご飯。
次の日にはお弁当も作った。
先輩が大好きな甘い卵焼きを添えて。
…本当、幸せな日々だった。
―――しかしそんな幸せな日々も、アッサリ壊された。
「ただいま…え?」
放課後先輩とデートの約束をしていたあたし。
ルンルン気分で家へ帰ると、家の中が騒がしい。
急いでリビングへ向かった。
「あ、望愛ちゃん」
リビングにいたのは、目元を真っ赤に腫らした、お兄ちゃんの彼女。
思わずビクッとすると、奥に人がいたのがわかった。
お兄ちゃんじゃない…。
「お、叔母さん…?」
離れて暮らす、あたしとお兄ちゃんを嫌う親戚の叔母さんだった。