最初で最後の、恋だった。






「帰ってきたのかい。
相変わらず遅い帰りだね」

「どうしたんですか…?」



叔母さんが来るなんて。

何かあったに違いない。

…てか、お兄ちゃんは?

彼女がいるんだから、大学はあり得ない。

今日はバイトじゃないはず…。




「琉威ね…亡くなったのよ」




彼女が泣きだす。

目が腫れていたのは…泣いたからか?




「亡くなった…お兄ちゃんが?」

「琉威も馬鹿だよ。
何でホストのバイトなんてしているんだか。
だから帰りに殺されるんだ」



呆れる叔母さんの口から出てきた、物騒な言葉。



「殺された…?」

「ああ。
バイト帰りに、刺されたらしい。
すぐ誰か通りすがれば助かったんだろうけど、人通りのない公園での出来事だったみたいだからね」

「公園…?」

「望愛も知っているだろう。
近くにある公園だよ。
確かこの間も、女子高生が数人自殺したって場所だよ」



あの公園だ…。

そういえば昨日、進入禁止のテープが外されたって…。






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