最初で最後の、恋だった。






ふとあたしは、この間までなかった、白い箱を見つけた。

何だろ、あの箱。

箱は少しだけ開いていた。

あたしは、好奇心で開けてみた。





「…え?」





あたしは箱の中身を見て、思わず声を漏らした。





嘘…何で?

何で…アレがココに?

あるはずないのに…。





「…望愛ちゃん?」

「ヒッ!?」




後ろから聞こえた声に、あたしは驚き振り向いた。

先輩が、アノ無表情のまま立って、あたしを見降ろしていた。




「…見ちゃったか?」

「ッ!」



先輩はあたしの横に、ココアのはいったコップの乗ったお盆を置いた。

そして、箱の中に入るアレを取り出す。




そして、

あたしにチラつかせた。









< 99 / 157 >

この作品をシェア

pagetop