どうしてもママ、子供のまま。
ご飯を食べ終えて、さっき買った緑茶にストローを指す。
ストローを口にくわえて吸うと、ジュルル、という空音と共に、緑茶が出てきた。
「でさ、一昨日かなー?アタシ、彼氏とゴムなしでヤッたの!」
愛菜の今の一言に、私は口に含んでいたものを全て出してしまった。
「げぇっ、朱美、どうしたのっ!?…あ、さっきの旦那の弁当当たったとか?」
私は首を横に振った。
だって…うん、愛菜が…そんなこと言うから。
私だって…一昨日だよ、ゴムなしでやったの。
『だぁ、ゴメンっ。私お腹痛いや…チョット保健室いくねっ』
緑茶を放り投げて、私は階段を急降下した。
あんな話題まじまじと聞いてたら、思い出しちゃってじっとしてらんない。
私が居なくなった後、私の走る背中をみて仕方なさそうに笑う2人がいた。
「お腹痛いやつがあんな走れないでしょ。あーあ、どうする絵理?朱美お弁当忘れて行っちゃったよ?」
「アハハ。やっぱおもしろいね。しゃーない。あとで佑くんに届けとこ?」
私はとりあえず、猛ダッシュで廊下を駆け抜けていた。