どうしてもママ、子供のまま。
誕生日
ピロリン。
急に鳴る携帯の着信音にビビる私。
着信音のおとが小さかったので、メールってことはわかった。
液晶を見ると、表示には「このみさん」と表示してあった。
え?このみさん、私のメルアド知ってたっけ…?
びっくりしながら、「開封」のボタンを押す。
元気そうなこのみさんらしいメールだった。
【 おはよう!いい朝だね。
朱美ちゃんは今日はお仕事
お休みしたんだね。
なんか寂しーい(笑)
お誕生日おめでとう!!
いい一日にしてね。
あ、メアドは佑くんから
聞きました!】
あ……
『佑の奴め…まったく…』
ふふふ、と私は笑ってしまった。
そして、不意に涙が出た。
だって…影でこうして
私を笑わせるためにモノを
してくれる人が居るから。
私は一言、ありがとうと送った。
そしてその言葉に添えて…
私は幸せです。
と送った。
しばらくして、玄関が開く音がした。
「ただいまー」
だいすきな、私の夫の声だった。