狂気の王と永遠の愛(接吻)をイメージ画集とつぶやきの場

9/30 仙水とアオイ②

「……」


(この美しく長い髪…彼女は……)


目元をほころばせながら少女を優しく抱き上げた仙水。


「ようこそおいでくださいました…アオイさん」


「…センスイ先生っ!?あ、あれ…?」


頬を染め、羞恥と驚きのはざまであたりを見回す彼女があまりにも可愛い。


(この愛らしい彼女の表情をもっと見たい…)


仙水の小さな願望が無意識に挑発的なものへと変わっていって…


「ここに来るつもりはなかったのですか?」


わざとその顔に哀愁を漂わせてみると…


「ち、違いますっ!!そうじゃなくて…っ…」


「ではどういう?」


なおも責め立てる仙水の綺麗な顔がズイと近づいて、熱の集まったアオイの顔は真っ赤になってしまった。


「…わ、私…っ…!!どうやってここまで来たかわからないんです…っ!!たしか湯殿からあがって…」


「…うたた寝をしていたらベッドから落ちてしまったみたいで…そしたらここに居たというか…」


「なるほど…良い香りがするわけですね」


アオイの頬に形の良い鼻を近づけ、恍惚の眼差しを注ぐ仙水。


「…ひゃっ!!」


「だ、だめです先生っ!!私帰らないと…っ…!!」


仙水に抱き上げられたまま、彼の腕の中でジタバタするアオイ。


「なぜ?」


「…なぜって…お父様が心配する…から……」


あまりにも真面目に問い返され、一瞬拒絶することを忘れてしまう。




「…帰らなければいいんですよ。このまま…私とここで暮らしませんか?」




―――つづく。



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