狂気の王と永遠の愛(接吻)をイメージ画集とつぶやきの場
12/14 世界の悲鳴
月明かりを背に受けながら表情無き面持ちで荒地を歩く仙水。
ここはかつては色鮮やかな花々によって彩られていた中庭だった。
滞ることなく流れていた清らかな水も、花の香を運んできたあたたかな風も、命を育む優しい日差しも今はもうない。
(…王の存在は目障りだが…悠久の国は美しかった)
アオイの存在を見つけた彼が飛び込んだ悠久の大地は争いの欠片もなく、何かに怯える人々の姿もない。
そこにあるのは偉大な王に守られて平和な日々を送る人々の笑顔と笑い声、そして…永遠を約束されたかのような平穏。
「…五大国の王たちよ…貴方がたには聞こえますか?この世界の悲鳴が…」
肩越しの月を振り返った仙水の眉間には深い皺が刻まれ、その美しくかたちのよい眉は悲しげにひそめられている。
その時―――…
―――ザッザッ…
枯れ葉を踏み鳴らす音が響いた。
「……」
仙水は視線を鋭くし、音のする方へと向き直る。
やがて姿を現した男に…
「貴方でしたか…」
ここはかつては色鮮やかな花々によって彩られていた中庭だった。
滞ることなく流れていた清らかな水も、花の香を運んできたあたたかな風も、命を育む優しい日差しも今はもうない。
(…王の存在は目障りだが…悠久の国は美しかった)
アオイの存在を見つけた彼が飛び込んだ悠久の大地は争いの欠片もなく、何かに怯える人々の姿もない。
そこにあるのは偉大な王に守られて平和な日々を送る人々の笑顔と笑い声、そして…永遠を約束されたかのような平穏。
「…五大国の王たちよ…貴方がたには聞こえますか?この世界の悲鳴が…」
肩越しの月を振り返った仙水の眉間には深い皺が刻まれ、その美しくかたちのよい眉は悲しげにひそめられている。
その時―――…
―――ザッザッ…
枯れ葉を踏み鳴らす音が響いた。
「……」
仙水は視線を鋭くし、音のする方へと向き直る。
やがて姿を現した男に…
「貴方でしたか…」