強引なキミに溺れてく
早見くんは本棚の前でその棚にあった本を読んでいた
やがてあたしに気づいて少し近づく
「立石さん?」
…!初めて名前呼ばれた
「あっ…どうも…何か借りにきたの?」
あたしは少し笑って見せた
「んー、なんか暇つぶしに?」
あっ、そういえば…
「風邪…大丈夫?」
そう言うと早見くんは少し驚いているようだった
「うん…朝よりだいぶマシになった」
「そっか…よかった」
なぜかあたしはホントに嬉しかった
飴が少しでも効いたのかな?
「あっ、…この本そこの本棚だ…」
あたしの後ろに借りた本の置き場所である本棚があった
…が、高くて届かない…
近くにあった踏み台に上ってやっと届きそうって時に、あたしの手から本が消えた