僕らはそうしてこうなった
お母さん
「はぁ…。」
私はまっ暗闇の道路を眺めて溜息をついた。
あの子達が家を飛びたしてから随分時間が経つ。
私が余計な事を言うから…。
「そう心配するな、あの子達ももうすぐ頭を冷やして帰ってくるさ」
夫が私の肩を抱いて ポンポンとあやす。
私の可愛い子ども達。ネスとエール。
双子で顔も良く似ててどっちがどっちか分からなくなることもあった。
あの子達は一本だけの腕を服の中に入れて、「どーっちだ!」とからかってくる。
あぁ、私の可愛い子ども。
早く帰ってきてちょうだい。お母さんが謝るから。
「あなた…、あの子達、誘拐なんてされないかしら…」
「…大丈夫だ。あの子達は強い子だから」
「でも、…心配なのよ。さっきから胸騒ぎがする」
「気にしすぎだよ。さぁ、寒いから家の中に入ろう。」
「…わかったわ」
私の可愛い子どもたち。
どこにいるの?早く帰ってきて。