これが私の世界なんです

変わりだす

私は最高にこの生活に飽きてしまった。父に学校を辞めると言おうとした。仕事が忙しいらしい。会ってくれない。会ってくれないらしい。そうですか。じゃあ、母に...。いや、秘書だから一緒にいるか。じゃあ、兄に。兄は、義務教育だから学校を辞めれないよ。と、言った。私は悩んだ。結果、普通の学校に、私立ではなく公立に行かせてくれと頼んだ。無理だな、と、諦めようとしていた。もう3日はたっていたのだからね。3日間も着信ナシ。


五日後の朝。電話が鳴った。朝から邪魔が入ったと、真剣に頭が痛くなった。兄からの返事の電話だった。良いらしい、公立。良いらしい。この時、この瞬間、私は壁にもたれて地べたに落ちていった。最高に嬉しく、一番感動し、幸せと感じたのだ。生きがいがあったと、ここまでよく来た、と褒め死にそうだった。


私はいま、小学3年生の2学期にいる、忙しい父に母に兄を慕って今年度は今の学校にいると決意した。父、母、兄を慕いはじめたのは昨日だ。はじめて、はじめて家族がちょっとだけ好きになった。分かってくれたのかと、その時はありがたく思った。あくまで、その一瞬のはなしですよ。


この世が変わるとき、私の世界が一変する。
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