恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜



指輪を贈るのならば、真琴に知られないように準備する必要がある。



「…さあ?眠ってるところを、こっそり測るとか?お店とかに行くとリングサイズのゲージがあるんだけど、当然手元にはないから、糸とかで測ってお店に言えば判るんじゃない?」


「糸で、どうやって測るんだ?それに、そんな指輪を買うお店って…?」


「ンもう…!お店は適当なところを後で教えてあげるから、サイズの測り方はネットででも調べてご覧なさいよ」


いろいろと質問責めにされて、谷口も些か面倒くさくなり、そう言って突き放した。


自分がモーションをかけた時には全く無視状態なのに、こんな時には頼ってくるなんて都合よすぎる…と、谷口は古庄を少しいじめてやりたくなる。



「…それよりも、古庄先生。本当に結婚するの?イケメンだと、次々にお相手が見つかっていいわねぇ。それで?今度の相手は誰?」


谷口の好奇心に火がついて、目がらんらんと輝いている。

谷口にこんな風な言われ方をすると、自分は顔がいいだけの中身のない男のような気がしてくる。



――…訊く相手、間違えたかも……






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