恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜



でも、こういうことに疎い古庄は、誰がこういうことに詳しいかも知らない。
見るからに派手な様相で、指輪なども常に身に付けている谷口だったらきっと知っているだろうと、短絡的に考えて行動しただけだ。



「そのうち、皆にもきちんとお披露目する時が来るから…」


この詮索好きの谷口に真実が知られてしまったら、真琴だけでなく学校中を巻き込んで大変なことになる……。

古庄は苦く笑って、そうお茶を濁すしかなかった。





そして、待ちに待った金曜日が来た。

朝から気分が浮き立っている古庄は、夕方になるのが待ち遠しく、過ぎていく時間の1分1秒さえも、もどかしく感じられた。


今日は、真琴を思いっきり抱き締められる。
キスを交わし、腕の中で甘い吐息をもらす真琴を思い出すだけで、古庄の肌が粟立った。



――あんな真琴を、知っていていい男は俺だけだ……!


この日も、時折真琴に向けられる高原の視線が、いっそう切なくなっていることを確認しながら、古庄は改めてそう思った。



高原自身は好青年だと古庄も認めるところで、彼の人格が疎ましく、恨みがあるわけではないが、真琴のことになると話は別だ。




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