恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜




そんな真琴の引きつった顔を見て、古庄はニヤリといっそう面白そうに笑い、朝礼に行くために席を立った。

こんな状況で、古庄がどうして笑えるのか、真琴には理解できない。


この秘密が、いつかバレてしまうのではないか…?
結婚相手のことを詮索されたら、どう答えよう…?


心配事の数々が頭の隅にわだかまってて、祝福を受けても、真琴は心から笑うことができなかった。



真琴も連絡事項を書いたノートと筆記具を手に持ち、足早に職員室を後にした。

1月の朝の冷たい空気の中、教室へ向かう古庄の後姿を見つめながら、真琴の気持ちは徐々に重くなり、3月が終わるまでの3か月間がとてつもなく長い時間のように思われた。






真琴の抱えるこの心配事とはまた別に、古庄は問題を抱えていた。

年が明けてから、佳音が学校に来なくなってしまったのだ。


冬休みが終わって1週間以上が経とうというのに、佳音は姿を見せなかった。
毎日電話をかけてみても、留守のことが多く、たまに母親が電話に出ても母親自身も佳音を持て余している様子で、佳音本人は電話口にも出ようとはしなかった。




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