恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
クリスマスイブの出来事を思い出して、原因は「それ」だろうと、古庄は想像する。
しかし、こればかりは佳音の想いに応えることはできず、古庄にもどうしようもなかった。
そもそも、古庄にフラれたことと不登校になることとは別問題だ。
これまで古庄に恋をして、その恋が実らなかった女子生徒たちは、誰ひとり不登校などになっていない。
こうなってしまうのは、佳音の健全でない精神状態が原因で、古庄とのことは引き金になったに過ぎない。
それは解ってはいるけれども、この現状をどうすればいいのか…。
このままずるずると欠席の日数がかさめば、いずれは進級にも影響が出てくるだろう。
学年主任は、あまり当てにはできない。
スクールカウンセラーとの面会を試みようとしても、佳音自身が学校に出てきてくれないことには、それも難しい。
いつも頼りにしていた真琴には、このことを相談するのは憚られて……、古庄は八方ふさがりの状態だった。