恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
「うん、もちろん好きだよ」
「…ですよね。そう言うと思っていました」
手を休めずに、真琴がそう言いながら笑う。その横顔を、古庄はしみじみと見つめる。
その眼差しに気が付いて、真琴が振り向いた。
「どうしたんですか?すぐ出来ますから、あっちで待っててください」
居間の方を視線で指し示してから、古庄へと視線を合わせて、微笑みを投げかけてくれる。
「うん……」
「今日も遅くまでお疲れ様でした。生徒会の新しい執行部って、どんな感じ……ですか…?」
古庄は我慢が出来なくなって、持ち帰っていた荷物を放り出し、衝動的に背後から真琴を抱きすくめた。
真琴は目を丸くして言葉を途切れさせ、包丁を持ったまま固まってしまう。
古庄は抱きしめる腕に力を込めて、真琴の髪に顔をうずめた。
――…この人は、俺の嫁さんだ……!
心の中でそう叫びながら、真琴のうなじや耳に唇を擦り付ける。
「…あの、和彦さん…?」
真琴の顎を掴んで振り向かせて、戸惑いの言葉を発するその唇を、自分の唇で塞いだ。
そして、真琴の体を翻させて抱きしめ直すと、もう自分が抑えられなくなり、押し倒す場所を求めて、真琴の体を半分持ち上げるように移動を始める。