恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜




気を取り直すように持ち出された石井の提案に、真琴も快く頷いた。
手早く荷物をまとめると、石井と連れ立って職員室を後にした。





真琴と古庄の気まずい雰囲気は、2日経っても解消されなかった。

真琴は口をきくどころか、古庄にチラリとした視線さえもよこしてくれない。
週末になり、二人きりの時間が持てたら話もできるのだが、職員室ではそうもいかない。

古庄は、真琴の言葉にならない怒りのようなものを感じ取って、いつものようにメモを渡すことさえ躊躇した。



しかし、真琴がそんな風に機嫌を損ねるのも無理もない。

古庄は学年部の教員たちの前で、真琴を責めて泣かせてしまった…。
誰よりも強く真琴を守りたいと思っているのに、それが裏目に出てしまった。

何とかして謝りたいけれども、なかなか二人だけになれる機会もないし、週末まではまだ遠い。


後悔の念と切なく哀しい気持ちで、古庄は悶々とした時間を費やすしかなかった。



修学旅行直前に行われる“予餞会”の、生徒会執行部による話し合いが放課後に持たれ、それが終わった後のことだった。

古庄が生徒会室を施錠しようとしていた時、照明の灯った廊下を真琴が通りかかった。




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