恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
「…ちょ、ちょっと、待ってください」
キスの合間に、真琴がそう絞り出す。
「いや、待てない」
「あの、そうじゃなくて。…ほ、包丁。包丁置かないと、危ないでしょう?」
確かに今のまま真琴に抱きしめ返されると、背中をぶすりと刺されてしまう。
古庄は真琴を抱きしめたまま2,3歩戻り、強引な腕の力を少し緩めた。
真琴がまな板の上に包丁をそっと置いたのを確かめると、すぐさま真琴を居間に連れて行き、そこに敷いてあるカーペットの上に押し倒した。
仰向けになって古庄を見上げる真琴の顔を、古庄も髪を撫でながら切なく見つめ、
「……君は、俺のものだ」
そうつぶやくと、古庄は溢れ出る激しい想いのまま、真琴を愛し始めた。
真琴も5日ぶりに触れる愛しい人の感覚の前に我を忘れ、狂おしいキスに応えた。
古庄の頭を胸元に抱え、背筋の波を指でたどり、古庄の愛撫を自分から受け入れた。
「…っあ!…痛っ!」
あまりの刺激の鋭さに、反射的に真琴が声を上げる。
没頭していた行為の不意を突かれ、古庄も頭をもたげた。
「…すまない。痛かった?」
息を荒げたまま、古庄が真琴の顔を見下ろすと、真琴はかすかに首を横に振る。