恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
そして、サイズの対応表と見比べて、真琴のリングサイズは9号だと判明した。
「リングに刻印はなさいますか?」
「刻印?」
こういう経験が皆無の古庄は、意味が分からず首をかしげる。
「リングの内側に、お名前や日付、メッセージなどを刻むのですが…」
店員はそう言いながら、見本品の刻印とその文例を見せてくれた。
Forever in love(いつまでも愛しています)
Crazy for you.(あなたに夢中)
You're everything.(あなたがすべて)
All my love(私の全ての愛)
などなど…
――……うわ~……
普段は自分も同じような言葉を平気で真琴に語っているけれども、こうやって改めて読んでみると、あまりの甘さに、古庄はゴクリと唾を飲み赤面してしまう。
悩んだ末に、そこにはないメッセージを入れてもらうことにした。
「それでは、指輪は受注生産になりますので、お受け渡しは1か月から1か月半の後ということになります」
「……えっ!!?」
一連の手続きの後、店員の説明を聞いて、古庄の顔色が一瞬で塗り替えられた。