恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
でも、もう、佳音も後には引けない。
ここで自分の心のありったけを、古庄に吐露するしかできなかった。
「……それは…、分かってる!先生のこと、困らせてることだって分かってる!だけど、先生のことが好きで好きで…!…苦しいの。苦しいから、助けてほしい。一度でいい…抱いてくれたら、この苦しさから解放されると思うの……」
体中を圧迫する絶望に震えながら、涙をほとばしらせて、佳音は古庄に懇願する。
「そんなことしても、楽にはならない。逆に、後から、もっと辛くなるだけだ」
淡々とした古庄の受け答えを聞いても、佳音は感情を落ち着かせるどころか、その要求を押し通すために必死だった。
「辛くなってもいい…。先生と繋がりたいの…お願い、先生…」
佳音はおもむろに立ち上がると、ニットのパーカーのジッパーを下し、その下に着ているシャツのボタンもはずすと、それらを一緒に脱いで、上半身が下着姿になった。
古庄は目を剥いてギョッとする。
そして、醜悪なものでも見てしまったかのように、渋く顔を曇らせた。
「…やめなさい」
古庄がそう言ってみても、佳音の決意は固く、ジーパンに手をかけるとそれもするりと足元に落としてしまった。