恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
秘密 Ⅱ
「……真琴」
深い眠りに就いていた真琴の肩を掴んで、古庄が目覚めさせた。
うっすらと目を開いた真琴の髪を撫でながら、優しく語りかける。
「もう、そろそろ起きた方がいい。俺はもう学校に行くよ?」
真琴が起き上がって時計を見ると、6時半を過ぎたところだった。
状況を把握して、真琴は焦ってベッドから飛び出す。
「和彦さん、すぐに朝御飯作りますから、食べて行ってください」
「…いや、朝やっとかないといけない仕事があるし、もう出るよ。朝飯は、途中でコンビニにでも寄るから」
「そうですか…。起きられなくて、ごめんなさい」
そんな真琴の消沈した表情を見て、古庄は微笑む。
「俺は大丈夫だから。君はきちんと食べておいで……と言うより。また俺に襲われたくなかったら、先に服を着た方がいい」
古庄に指摘されて、真琴は辛うじて下着だけ身に着けている自分の姿に気がついた。
「あわわわ…」
真琴は真っ赤になって、脱ぎ捨てられていた服を拾って、はだけた胸元を隠す。
そんないつもの調子の真琴を微笑ましく感じて、古庄は軽く息を抜いた。