恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜



そして最後に、谷口がもう一度真琴に確認する。


「さあ、この中から賀川先生の『いいな』と思うのは、どれ?」


皆の注目も一身に集まり、真琴も答えざるを得なくなる。
真琴がおずおずと一つの写真を指差して、



「……これ、かな…?」



とつぶやくと、その一言に、谷口はニッコリと微笑んだ。





それから、食事が終わり支払いをする時、石井と谷口と中山とがお手洗いを使いに向かった。

先に支払いを済ませた真琴が、レストランの外へと出ると、時間を置かず理子が出てくる。


気まずい雰囲気になる前に、何か話題を持ち出して理子の気持ちを紛らわせようと、真琴が考えを巡らせていると、理子の方から口を開いた。


「まだ夜は寒いですから、あんまり体を冷やさない方がいいですよ。大事な赤ちゃんですもんね」


「……ありがとう。そうね、気を付ける…」


理子の優しい言葉にホッとしながら、真琴も素直にお礼が言えた。


「男の子か女の子か、もう判ってるんですか?」


「うん…。男の子なのよ。だからかな?ものすごく活発に動くの」





「男の子ですか…。古庄先生に似てたら、やっぱりイケメンになるんでしょうね」




「…………!?」




< 310 / 343 >

この作品をシェア

pagetop