恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜



キスに応えたいけれども、状況が状況だけにキスに集中できない真琴。
だけど、古庄に抵抗するでもなく、体を硬くし息を殺すように、その行為が終わってくれるのを待っている。


そんな真琴に、出逢ったばかりの頃を思い出して、古庄は息を抜きながら小さく笑い、唇を離した。



「……一緒に働けなくなると、こんな風に隠れてキスすることもできなくなるな」


これから一緒に住むことになると、キスどころかそれ以上のことだって、何の気兼ねもなくいくらでも出来るのだが、“隠れてする”という小さな罪悪感と独特の緊張感、そして秘密の共有は、二人のお互いを恋する心をもっと甘く刺激した。



「学校のごみ置き場でキスしたなんて…、こんなシチュエーション、一生忘れられないと思います」



真琴が自嘲気味にそう言って苦く笑うと、古庄はその端正な顔を、もっと朗らかな笑いで輝かせた。


「それとも、一緒に働かなくなれば、結婚してることを秘密にしなくて済むから、隠れてキスする必要もなくなるか!」


「そういう問題じゃありません!!」


ほんの冗談のつもりなのに、真面目な顔で言い返してくる真琴に、古庄は笑いが止まらなくなる。真っ赤になって焦っている真琴が、可愛くてたまらない。



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