恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜

「婚約」しました。






翌週、真琴の指輪にいち早く気が付いたのは、やはり目ざとい女の子たちだった。

授業をする真琴の手に、キラリと輝くものがある…。
それが左手の薬指に着けられているものだと確認して、生徒たちは授業後、真琴を質問攻めにした。


「先生!その指輪!!どうしたの?」


「左手の薬指ってことは、婚約指輪!?」



「う…、うん。そう。婚約したの…」


さすがにこればかりは、ごまかしが効かず、真琴は観念してそう告白した。


「え~!!ホント~?!」


「すご~い!!」


生徒たちの驚きようは、それはもう尋常ではない。
婚約しただけで何が「すごい」のか、その意味を考えると複雑な心境にもなる。


「ねぇ?ねぇ?相手はどんな人?」


「カッコいい?背、高い?」


生徒たちから、さらに掘り下げる質問されて、真琴は答えを少しためらった。

古庄を「カッコいい」と形容しない人物が、この世にいるだろうか…?



「…うん。背は高いけど、普通の人よ」


けれども、真琴は敢えてそう言って微笑んだ。



すると今度は、生徒からこの情報を聞きつけた女性教師が、真琴の所へ確認に来る。





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