恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜




「そう、ちょっと変わってるんだよね。価値観が普通じゃないっていうか…」


「それで、その自分の価値観以外は受け入れようとしないから、それを共有できる人とでなきゃ一緒にいられないよね」



エキセントリックなところがあるということだろうか…。

確かに、あれだけの美少女なのにモテている風ではないところを見ると、女の子たちの見解も的を射ているのだろう。



「でも、前は少ないけど友達もいたんだよね…?」


少なくとも、今のように孤立した存在ではなかったはずだ。詳しい事情を、真琴は掘り下げて質問した。


「うん…。だけど、最近の佳音ちゃんは、その親しかった友達も受け容れないっていうか…」


そう言って、有紀が口を開く。


「…有紀ちゃん。隣のクラスのことなのに、よく知ってるのね?」


話の本筋とは違うけれど、真琴の中に浮かんだ疑問が、不意に口を衝いて出てくる。


「…それは、溝口くんが言ってたから…」


「溝口くん…?」


突然出てきた男の子の名前に、真琴がさらなる疑問を口にすると、途端に有紀は顔を真っ赤にして口ごもった。




< 47 / 343 >

この作品をシェア

pagetop