恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
「…何を言ってるんだ?!君を抱けないと、俺は満足しないとでも?俺は、そんなソレしか考えてないような男じゃない!」
恥ずかしさだけではなく憤りが加わって、古庄の顔がもっと赤くなると、真琴はうつむいて、ますます小さくなった。
「……ごめんなさい」
もう一度、その一言を絞り出すと、真琴の瞳から涙が零れ落ちた。
その涙は、古庄に対する申し訳なさだけではなく、昼間から感じ続けていた情けない自分に対してのものだった。
泣き出してしまった真琴を、そっと古庄は抱きしめる。
「…俺の方こそ、言い過ぎた…」
優しく肩を抱きながら、古庄はこれまで二人で過ごした週末を振り返った。
真琴を愛しいと思うあまり、一晩に何度も求めていた自分を思い返して、真琴がそんな風に思っても仕方がないと自省した。
でも、それでも、こうやって真琴を抱きしめていると愛しさが募って、自分の器では抱えきれないほどの真琴への想いが溢れてくる。
その行き場のない想いの奔流は、やはり行為となって真琴へと流れていくしかない。
「…今は、君を抱けないけど、キスだけならいいだろう?元気注入だ」
古庄はそう言うと、真琴の頬をすくって、その唇に口づけた。