恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
事件
それから一週間ほど古庄は、昼は学校で真琴と一緒に働き、夜も真琴と一緒に暮して主夫業に勤しんだ。週末こそ、花園の予選があって出かけて行ったが、その時以外は真琴に一切家事をさせなかった。
真琴も、日中は普段通り出勤し普通に働いたが、家に帰るとずいぶん楽が出来た。
「もう大丈夫みたいです。クラクラしなくなりました」
風呂に入りパジャマに着替え、寝支度をしていた時に、真琴がそう切り出した。
そうは言っても、立ちくらみがかなり軽減されただけで、まだ体の芯に残る疲労感はなかなか取れそうもなかった。
それでも、真琴がそう言ったのは、このままずっと一緒に暮らしていくわけにはいかないし、古庄だけにずっと家事をさせるわけにもいかなかったからだ。
それに――…。
「本当に?大丈夫か?」
「はい。和彦さんのおかげです。ありがとうございます」
古庄に確かめられて真琴が微笑むと、古庄はその可憐な笑顔を見て、ずっと抑え込んでいた欲求の緒を切らした。
真琴の腕を引いて抱きすくめ、そのままベッドへと倒れ込んでキスをする。
「…やっぱり、一緒にいるのに君に触れられないなんて、拷問みたいだったよ」