恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
古庄の熱い息を感じながら見つめられて、真琴も心の中で同意した。
かつては側にいるだけで息もできないほどだったのに、一度深く愛されてしまうと、再びそれを追い求めてしまう。
少し無理をして「大丈夫」だと言ってしまったのは、近くにいるのに触れてもらえない切なさに、真琴自身が耐えられなくなったからだった。
愛撫をする古庄の口ひげのざらつきを胸元に感じながら、真琴は目を閉じ、安堵のため息を吐く。
その息が徐々に熱を帯び、体の芯も痺れるように熱くなってきたとき、真琴のスマートフォンの着信音が鳴った。
同時に二人の体が、ピクリと強張った。
真琴は頭をもたげてスマホの在り処を確認したが、古庄の我慢を強いられていた欲求は、そんなことくらいでは収まらなかった。
鳴り響く着信音が気にはなるけれども、古庄がやめてくれないので、真琴は甘い呪縛から逃れられない。
発信者は諦めてくれたのか、着信音が一旦途切れた。
真琴はホッとすると古庄の頬を両手で包み、キスに応え、古庄が与えてくれている感覚の渦の中へと再び溶けていこうとする。