恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
「どうした?何があったって?」
真琴が困っているのならば、助けてあげなければ。
古庄はそう思って、真琴が口を開くよりも先に、事の次第を訊き出そうとした。
しかし、真琴が古庄に向き直って説明した内容は、古庄が想像したようなものではなかった。
「和彦さんのクラスの森園佳音さん…。昼間に出かけたきり、まだ家に帰ってなくて、携帯もつながらないそうなんです。和彦さんにも連絡してるけど電話に出ないって…学年主任から所在を尋ねられました」
「あっ!えっ?!俺の携帯…?」
古庄は視線を宙に漂わせて、記憶の中の携帯電話を検索する。
「着信音が聞こえなかったから、家か車か職員室に置き忘れてるんじゃないですか?」
「うん、きっとそうだろう…」
「とにかく今は、早く森園さんを探さないと。彼女のお母さんが心配してます」
真琴はそう言うや否や、古庄により半分脱がされていたパジャマを脱ぎ捨てた。
そして、きちんと下着を着け直すと、クローゼットから洋服を引っ張り出して身に着け始めた。