恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜




「おい!残して行くと面倒だろ?コイツも連れていけよ!!」


古庄からそう言われて、運転席からもう一人の男が出てくると、二人がかりで大男を運んで車に乗せて、あたふたと逃げて行った。


先ほどの怒鳴り声と古庄の常人離れした容貌、そしてその身のこなしに、歓楽街を行き交っていた人々の目は釘付けになっている。


その視線が気になりつつも、男たちがいなくなって、真琴がホッと胸をなでおろした時、古庄も佳音に向き直った。



「とにかく、無事に見つかってよかった…送っていくから家に帰ろう」


すると、佳音はそれ拒否するように、古庄に背を向けて、再びネオンの街の中に歩き出そうとした。


その行動の訳が分からず、古庄は真琴と顔を見合わせる。

けれども、そのまま行かせてしまったら、ここで佳音を見つけだした意味がない。


「どこに行くつもりだ?こんなところフラフラしてると、またさっきみたいな奴らに引っかかるぞ!」


と、古庄は佳音を追いかけていって、腕を掴んで引き留める。



「…家なんか…!あんな家なんかより、さっきの人たちといた方が、よっぽど楽しいし!」


そう言いながら、佳音は古庄の手を振り払おうとする。





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