恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜



佳音を抱きしめる古庄の姿。

古庄の中には生徒を思いやる心があるだけで、それ以上のものはない。

真琴にもそれは解っているけれども、あの光景を思い出す度に、真琴の心がざわめいてチクリと切なく痛んだ。





そして、それから程なくして、真琴の体が再び悲鳴を上げた。



――ああ、今日も終わってくれた……


終礼の後、疲れた体を奮い立たせながら、一日のなすべきことを終えて、真琴がホッと息を吐いた時だった。


廊下を歩いていたところで、いきなり目の前が真っ暗になった。



それから自分がどうなったのか……。
真琴の意識はそこで途絶え、気がついたらこの前と同じように、保健室のベッドの上で横たわっていた。



「あら、気が付いた?…どう?気分は?」


脈を取ってくれていた養護教諭から、そう尋ねられる。

いつものように「大丈夫です」と言いたかったが、今日ばかりは難しかった。
めまいがひどく頭は鈍痛に締め付けられ、吐き気までする。
けれども辛抱強い真琴は、学校で決して「しんどい」とは言わなかった。


そんな真琴の様子を見て取って、養護教諭は一つため息を吐く。




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