クリスマスデートから帰ってきたら、幼馴染みが豹変してしまいました。
「ケーキ、どこのコンビニのがいいんだ?」
「ふざけんな、バカぁ!!好き勝手しといて、ケーキで機嫌取ろうとすんなっ」
「でも食いたいだろ、ケーキ」
「…………………く、食いたい」
「それにコーヒーもつけてやるよ」
「………最近、コンビニのコーヒーも侮れないしね…………じゃなくて!」
何こんな和やかに世間話?
なんだよ、希鶴はあたしのことずっと好きだったんじゃなかったの?!
初戦を終えてこの冷静さ、なんなんだよ。
………あたしだけがこの状況にいっぱいいっぱいとか、マジむかつくし、なんか傷つくんですけどッ。
「舞?」
「…………希鶴のバカ、スケベ、変態エロ魔人ッ」
「ひでー言い様してくれんじゃん?」
「ってか、何?なんでまたあたしの上に乗っかってくるわけ!?」
「や、それだけ文句言えるくらい元気なら、もう1回くらいいけんだろって思って。オンナってハジメテは痛くてしんどくても、2回目はイイって聞くし。次はおまえもちっとはよくなれんじゃん?」
清廉そうな顔して、何しれっといいやがるんだ、この男。
「………ふざけんなッ、それおまえの体験談か!?違うでしょ!?自分オンナでもないくせに何根拠のないこと言ってんだ、『よくなる』とかどこにそんな保証があるんだよッ!」
「保証はないけどとりあえず試してみようぜ」
「みるか!『とりあえず』程度のノリで痛いの我慢出来るか!もう、今すぐケーキ買って来て!じゃないと希鶴嫌いになるからッ。まっしろなショートケーキにちゃんとサンタさん乗ってなきゃヤだから!!今すぐ!!本気なんだからね!!」
「………はいはい」
そういって希鶴がコンビニのケーキとコーヒー買ってウチに戻って来たのは1時間半後。