キスをお先に、頂きました
「……これ…」
朱加はそう言いながら、箱を開けた。
「……朱加に、これ、クリスマスプレゼント」
「え……?」
渡す時はなんともないが、朱加の反応が予測不可能な時、
どうしても照れてしまう。
「つけて」
誤魔化すように俺がそう言うと、
なにやら朱加はためらっていた。
「…どうした?」
「……わ、わたし、遥葵になにも用意してない…」
朱加はそう言って、箱を閉じようとしていた。