キスをお先に、頂きました
「だから、これ受け取らないの?」
「……」
俺は朱加の手を支えた。
せめて、受け取って欲しい。
「……元はといえば俺が、今日までためらってたのが悪い。
朱加が気にすることはない」
朱加は、
泣きそうなような、嬉しいような、そんな顔をした。
なんとも言えない顔がすげー可愛くて、
俺は無意識に、朱加の頬にキスをしてしまった…。
「ご、ごめん……つい」
これは自分でも予想外で。
ああ、俺今、朱加に、キスしちまった……。