キスをお先に、頂きました
『……やっぱりそりゃあね、彼氏のいない私でも、クリスマスは彼氏がいたら過ごしたいと思うもん』
……言ってた栞菜の言葉。
本当は、遥葵のことだったの?
私にたくさん、アドバイスしながら、本当はうまくいかないでって、思ってた?
――私なら、思っちゃうよ。
栞菜の立場なら。きっと……。
『来年は、受験だよ?今年が最後のクリスマスかもしれないじゃん』
――私にいっぱい、アドバイスをしてくれた栞菜は。
何を、思っていたの?
栞菜の気持ちを私に教えてくれなかったこと、
悔しいことよりも、栞菜の気持ちって一体、
なんだったの。
なんで。せめて、言ってくれたらよかったのに……。