キスをお先に、頂きました




『……やっぱりそりゃあね、彼氏のいない私でも、クリスマスは彼氏がいたら過ごしたいと思うもん』






……言ってた栞菜の言葉。




本当は、遥葵のことだったの?






私にたくさん、アドバイスしながら、本当はうまくいかないでって、思ってた?





――私なら、思っちゃうよ。



栞菜の立場なら。きっと……。







『来年は、受験だよ?今年が最後のクリスマスかもしれないじゃん』





――私にいっぱい、アドバイスをしてくれた栞菜は。



何を、思っていたの?






栞菜の気持ちを私に教えてくれなかったこと、



悔しいことよりも、栞菜の気持ちって一体、



なんだったの。





なんで。せめて、言ってくれたらよかったのに……。



< 35 / 114 >

この作品をシェア

pagetop