キスをお先に、頂きました
「…なんですか」
「ワシは人を助ける仕事をしておる」
早く帰りたいのに。
こんな変な人に付き合わなきゃいけないだなんて。
あんなことがあって、人間不信中なのにさ。
「君に、アドバイスがあるんじゃよ」
「……アドバイス?」
なによ、それ。
一体なんのアドバイスよ。
「ふぉふぉふぉ。なに、大したことじゃないよ。
君は、この間好きな人となにか…良くないことがあったんだろ?」
「は、い!?」
なんでわかるの…?なんで知ってるの?
「占い師…じゃなくて、サンタじゃからのぉ。なんでも、知っておるぞ」
「はぁ……」
いま、なにかを言いかけた。
この人にとってサンタってなに?
…なんか、勘違いしてない?
サンタって人の心見透かさないよね。
しかも占い師なのね…この人。