キスをお先に、頂きました

少し興味が湧き、そのとても怪しげな占い師に耳を傾ける。





「…でもそれは、君の一方的な勘違いかも知れんぞ」



「確信です。私の好きな人……遥葵は、私の友達と、付き合ってるんですよ。

その決定的瞬間を見ましたもん。この目で」




感情的になる。



なんで私、こんなにイライラしてるんだろう…？



「……なにかの間違いじゃない？」



「…間違いないですって」







自分に都合が悪いことがあるとタジタジだなぁ。




大丈夫かな、この占い師。






なんかムカつくけど、呆れて笑えてくる。




可笑しい。悲しくて辛いはずなのに。






「…いや、それは見間違いというか…人違いじゃな」






ふぉふぉ、と謎の笑いで誤魔化そうとするインチキ？占い師。



なんで自分の失敗を表に出そうとしないの。






私はため息を吐いた。