キスをお先に、頂きました
◆ ◇ ◆
変なサンタ占い師に会った日の夜。
私は栞菜に真実を確かめようか確かめまいか迷って――携帯を握り締めていた。
真実とは、栞菜が遥葵と付き合っているってこと、本人の口から教えてもらうこと――。
でもそれは、すごく怖い。
だって、もしも本当だったら、私これから……どうしたらいいの?
栞菜とも、遥葵とも、どうやって付き合っていけばいいの……?
もう、クリスマスどころじゃないかもしれない…。
私はやっぱり、あの時みたいに、核心をつくことを恐れて――
なにもせずに過ごした。