キスをお先に、頂きました
あったかい。
ショートボブにした髪の毛は、やはり首元が寒くて。
それに私は髪を切って、遥葵のことは忘れる、
と踏ん切りをつけていたのに……
あの偽サンタが余計なことを私に吹きかけて…。
もう、一生占いなんて見ない!信じない!
だって、あんなインチキでさえこんなにも私を惑わすんだから……。
『君はこのまま、そのお相手との恋を、諦めていいのかのう』
不意に、あのインチキ占い師の言葉を思い出す。
『君はもっと、自分の心に実直に素直になるんじゃ』
私の素直な気持ち。
それは――
遥葵に会いたい。
それだった。