桃色の雫
『綾、気を付けてね。』

高校の入学式に向かう車中、突然、真剣な顔で母が言った。

「何を〜?」

『ほら、綾は優しいし、少し人に流されやすいところがあるからトラブルに巻き込まれたやり…ね。高校生になったら色々な子がいるからさ。』

私は優しくなんかない。母が言いたい事はわかる。私が中学の時みたいに浮いた存在にならないか心配しているんだ。
< 10 / 15 >

この作品をシェア

pagetop