桃色の雫
『綾ちゃんのお母さんきれいだね!』
今まで何人の人に言われてきただろう。

わたしの母は美しい。それは娘のわたしにとって喜ばしい事であり、同時に大きな劣等感を抱いていた事でもあった。

母は何処を歩いても人の目を引いているし、それだけの魅力がある。それは昔から可愛いとか綺麗とか言われ慣れている人特有の力だと思う。

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